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小説や評論を書きつつ短歌も作っている私の読書日記。毎日出会うさまざまな本への思いを中心に、日々の出来事やその感想についても綴ります。おつきあいいただければうれしいです。

重松清「あの歌がきこえる」

重松清さんは子どもを描くのが上手いと聞いていたので、前から読んでみたい作家さんだったのですが(ちなみにわたしは児童文学が専門)、子どもの弱い部分、もろい部分、情けない部分を書くのがすごく上手いなあという印象を受けました。
台詞が方言で書かれていてちょっと読みにくいのですが、思わず人物に感情移入してしまう巧みな文体です。日常の風景を綴った、一見何気ない、誰にでも書けそうなスケッチに見えるのですが、実際にはこういうシンプルなものはごまかしが効かなくて、なかなか書けるものじゃないですよね。
短篇のほうが得手のようで、この作品も同じ人物(中学生の男の子)を主人公にした連作集でした。タイトルの通り、昭和の時代に一世を風靡した名曲をキーワードにしてストーリーが展開するという趣向です。サザンの「いなせなロコモーション」なんて懐かしかったです(年がバレバレですね)。
直木賞受賞作の「ビタミンF」も読んでみようかな。
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小説作法の本

わたしは作家志望なので、小説作法のたぐいの本はチェックするようにしているのですが、最近買った「本気で小説を書きたい人のためのガイドブック」はいい本でした。
作家が書いた本ではないので、どうかなと思ったのですが、買って正解でした。執筆の際に気をつけるべきことを挙げた部分も充実していて、とても参考になったし、筒井康隆をはじめとしたいろいろな作家のコメントも読めて、ためになりました。
「自分の作品を他人の目で見ること」「読んでもらいたい人がいるという初心を忘れないこと」などの注意事項を肝に銘じて、こつこつ書いていきたいと思います。Fight!

魁皇関お疲れさまでした

魁皇関がついに引退してしまいました。
横綱・大関に日本人がいなくなってしまいましたねえ。
あの豪快な上手投げがもう見られないと思うと、とても寂しいです。

「ほかの世界ではとうていできないような体験がたくさんできたから、この世界に入って本当によかった」というご本人の弁。
怪我が多くて大変だったけど、たくさんの人に応援されて、ほんとうに幸せな相撲人生でしたね。
みんなに慕われる魁皇関のことだから、これからは親方として、きっといい弟子を育ててくれるでしょう。

ほんとうに長いあいだお疲れさまでした。

有川浩「図書館戦争」

ここしばらくのあいだ読んだうちでもナンバーワンの小説です。
言論統制から図書館の自由を守る武装組織、「図書隊」が結成された近未来の東京が舞台。高校生の頃自分を助けてくれた「王子様」の図書隊員に憧れて入隊した新米の図書隊員、笠原郁の奮闘ぶりを描いています。直属の上司、堂上篤(どうじょう・あつし)と何かにつけて衝突しながらも次第に成長してゆく郁の姿はとても愛おしいです。
ことあるごとに郁の軽率な行動に雷を落とす堂上は、一見こわもての融通の効かない男に見えるのだけれど、ほんとうは冷徹な外面の裏に熱い心を隠していて、とても魅力的です。ただ熱いだけではなくユーモアのセンスがあるところもまたいいです。久しぶりで小説の登場人物に入れ込んでしまいました郁より五センチも背が低いことも、まあいっかと思わず見逃してあげたくなります。堂上篤という名前がまたいいですね。これほどキャラクターにぴったりのネーミングはなかなかありません。
はじめは一見ラノベ風の軽いノリの会話にちょっと引きそうになったのですが、よく読んでみると、すごくきっちりとした堅実な文体、よく作りこまれた世界観に支えられて書かれていることがわかるんです。文章のうまさはもちろんだけど、ストーリーの運びが巧みで、この先どうなるんだろうとぐいぐい読ませる力があります。キャラクターもそれぞれが個性的に描き分けられています。
終わりのほうで明かされる、郁の憧れの「王子様」の意外な素顔はちょっと予想外でした。でもこれが続巻にどう生きてくるのか、すごく楽しみです。
いい本に出会って、とても幸せな気分。

魁皇関1046勝!

魁皇関、やりましたね!
ついに千代の富士を抜いて1046勝。
入門から23年、長い道のりだったことでしょう。
若貴と同期生なんですよね。そう考えると、本当にすごい。
土俵を離れると穏やかな笑顔で、とても優しそう。
気は優しくて力持ち(リンゴを片手で握りつぶせるとか
日本人男性の理想ですね。
大記録達成、本当におめでとうございます!

PS なでしこジャパンもおめでとう!

豊真将関おめでとう♪

半年ぶりに開催のお相撲、今場所はいい取り組みが多いですね。

わたしの好きな豊真将関が今場所は元気です。初日から四連勝と負け知らず。
ずいぶん好調だなと思ったら、結婚される予定とか。道理で張り切ってると思いました。
どうぞ末永くお幸せに

魁皇関はついに千代の富士の1045勝に並びましたね。すごいなあ。
でもおめでとうをいうのは、単独一位になるときまで待ちたいと思います

ちなみにわたしは小学生の頃からの筋金入りの相撲ファン。

チョコレートコスモス

最近読んだ本には当たりが多いのだけど、中でも恩田陸さんの『チョコレートコスモス』は素晴しい小説でした。テーマは演劇。『ガラスの仮面』の影響を受けているのは明らかだけれど、オリジナリティがあり、単なる二番煎じではない面白さがありました。演劇界のサラブレッドとして育った若き名女優と、演劇を始めたばかりで未知数だけど、天才的な素質を秘めた少女の二人が主人公。サキの『開いた窓』、テネシー・ウィリアムズの『欲望という名の電車』によるオーディションのシーンは、凄まじい迫力に溢れた描写で、ぐんぐん読みすすめられました。読み終えたとき、美味しい食事をお腹いっぱい楽しんだような満足感がありました。続篇もあるそうなので、大いに期待しています

バレエ本の仕事

生まれて初めてのブログの作成、思ったより簡単でした。ちょっとワクワクしてます

洋書のレジュメ作成の仕事をときどきするのですが、今回の仕事はバレエダンサーを主人公にした長篇でした。
バレエはもとから好きで(といっても、生で見たことがあるのは一度だけ)はりきって取り組みました。
ニューヨークシティ・バレエのダンサーから作家に転身したという作家の小説だけあって、描写がとてもリアル。楽しんでやれた仕事でした。
ちなみにタイトルは Bunheadsといい、英語版は近日中にハードカバーで出る予定。
日本語訳も出ることを祈ってます

この仕事でバレエについていろいろ調べていたら、自分でも舞台を観たくなってしまい、Kバレエカンパニーの『白鳥の湖』のチケットを買ってしまいました。熊川哲也さんのジークフリート王子が見られます。ワクワク。
プロフィール

Serenie

Author:Serenie
セリーニーと読みます。東京に住む女性です。
小説や評論を書いています。短歌も作ります。
翻訳の経験もあり、訳書が一冊あります。
趣味は読書のほか、音楽・演劇・美術鑑賞など。

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